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2018年10月7日日曜日

サラバ! 西加奈子 上、中、下巻 読書感想文

サラバ! 西加奈子 上、中、下巻、久しぶりに読んだ本です。

今年の3月末に買って上巻の途中から3ヶ月間止まっていたのです。ユーチューブとか携帯アプリの漫画とか、気軽に楽しめる媒体が増えた今、実際の本を手にとって読書をするという時間って意識してよっぽどのモチベーションがないと取ろうとしないものでしょうかね。

で、上巻の途中で止まっていたのが、その後の展開に引き込まれて残りの上巻半分、中巻、下巻を一気に2日間で読んでしまいました。

自分を見て!な気持ちが強いけれど悪い方の注目しか取れない姉、自分勝手な母、口数の少なく存在感のない父、のなかで空気を読みまくって成長した主人公の歩。テヘランで生まれ、政治事情で日本の大阪へ帰国、そしてまたエジプトへ。

エジプトではヤコブという少年とお互いの言葉がわからずとも心が通じ合いますが家庭の事情と父親の仕事の都合でまた日本へ帰国。身勝手な姉と母のために女性不信ではあるけれど空気を読み外見などにも恵まれていた歩はスクールカーストも常に上位で一見将来有望な青年でしたが、

中年にさしかかった頃から姉の前衛的なアート活動、それにまつわった恋人との別れや髪が薄くなってきて自分の容姿に自信がなくなってしまったことで今までできたいた「なんとなく人に合わせて適当な地位で過ごす」ことができなくなってしまいます。

あらすじはあんまりもう書きません。読んでみてください。

感想プラスネタバレも含め。

誰しも主人公の歩みたいに空気を読む必要があり、自分を殺している自覚もなく生きていることもあると思う。私は3人兄弟の末っ子であることとか、逆に見た目でいじられることが多く自意識過剰になってしまったのでその傾向があった。けれど歩みたいにうまく立ち回ることができなかったので歩の姉のような状況や心境になったりもした。私も歩のように、人の目を気にしてフラフラと自分の軸がない所があるので、「信じられるものを見つけなさい」というのが突き刺さりました。

荒れまくっていた姉が世界を放浪したのち常識人になるところはもっと詳しく続編とか短編で読みたいところです。

主人公の家族と深く関わった矢田のおばちゃん、歩の高校時代の友人、須玖、エジプトでの友達ヤコブなど、魅力的な人物像満載で、特にヤコブとの再会は涙が浮かびました。

生まれてから当たり前に信じるものがある人たちと、逆にあるのが異質な日本という国。

自分も母になり、子供を育てていく中、夫婦でいつづけることの難しさ、親であることの子供への影響力なんかも改めて感じました。

親としての目線でみると歩ってすごく優しくて、なんか家族が誰も知らないうちに板挟みになっててかわいそうというか。

離婚しても元妻と子供の元妻の親戚までにお金を出し続けるお父さん。お母さん、そんな幸せ、めっちゃ羨ましいです。

さて、あなたは信じる何か、見つけてますか?








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2013年6月6日木曜日

読書感想文:ジュージュー by よしもとばなな

よしもとばななさんらしい素朴で心温まるお話。 

下町の老舗ステーキ屋さん、ジュージューの一人娘、みっちゃんの観点から綴られる。

人と人とのつながりって避けられないし、それが元で不幸にも幸せにもなり得て、生きているうちにいろんな物を食べて、いろんな人と出会って、それがしっくりしている時期やしっくりこない時期もあり。オザケンの唄じゃないけど、「時は過ぎて傷は消えてゆく それがいらいらともどかしく」という表現がしっくりくる。 

日本にも至る所にショッピングセンターが立ち並び、昔からあった商店街や個性的なレストランなどが消えてゆく、いわばプチアメリカ、資本主義万歳みたいな様子はここ10年でぐっと進み、これからも続いてしまうんでしょうなぁ。世界中のジュージューのような昔からある魅力的な店舗がグローバリズムに負けずにこれからも残ってくれるように願います。



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2013年1月28日月曜日

1Q84 村上春樹 読書感想文

ずっと読みたかった村上春樹さんの1Q84。ついに地元図書館でハードカバーを発見!久しぶりに読む活字の詰まった本なので借りてきてしばらく放置していましたが、一週間の内の唯一手持ち無沙汰な時間、コインランドリーでたまった洗濯をしている時に読み始めました。不思議な物でどんどん読み進めたい気持ちが高まり、本を読む時間なんて子育て中だからナイナイって思っていたくせに時間なんて作ろうと思えばできるもんです。一冊目は4日ぐらいかかったけど2、3冊目もあっという間に完読。ぐいぐいと読み進みました。

1984年からパラレルワールドな1Q84年に来てしまった青豆と村上作品によく登場しそうな人物の天吾。幼い頃に家庭環境に恵まれなかったけれどもタフに生きてきた二人が魅力的な人物像で、日々の雑用、例えば料理をするとか仕事をするとか運動するとかを淡々とこなす姿勢は私にもいい影響を与えてくれました。

日本には人口以上の数の新興宗教があると前に聞いた事があります。近くにはまっている人は見かけないのですが、そういう人って掛け持ちしてんのかな?と思った事はあります。私も不思議な事やスピリチュアルな事は大好きですが団体とかには入らねーぞーと思ってます。あと高すぎる縁起物とかは買わない。

冒頭から出てくるヤナーチェック のシンフォニエッタはYouTubeでチェックしてみました。聞き覚えのないクラッシックでした。

作品中たくさん作られた空気さなぎの行く末は?青豆と天吾は?フカエリは?などその後が気になります。

その昔ねじまき鳥クロニクルを読み始めて挫折した事があります。図書館で見つけたら再チャレンジです。




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2012年10月28日日曜日

金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った :読書感想文

ここ近年読んだ本の中で一番衝撃的だったのがこれ。

銀行は預金のX倍のお金を貸し出し、住宅ローンや車のローンの利息をまるまる儲けることができる。つまり元手はほとんどただである。

お金を刷る事のできる機関は政府とは関係のない会社で、スイスだかオフランスにお住まいのロスチャイルド家とその親戚が株式のほとんどを持っている。表立ってはいないけど世界一のお金持ちだそうな。

一般庶民のほとんどは何らかの形で一生かかって銀行が元手ただで貸しているお金をあくせく働いて利息を付けて返している。

はーーー、

で、この一族の望むのは世界統一なんだそうな。

イマジンという歌で(There's no country~♪)ジョンレノンの言っている平和な感じではなさそうな統一国家になると、一般ピーポーは頂点にいる一つ目小僧さん(アメリカの一ドル札の中にも描かれておる)の思いのままに動かされ、しまいにはカラダの一部にIDカードを埋め込まれて徹底的に管理されるそうな。

ばからしいおとぎ話さっなんて一笑するもしないもあなたの自由。

中東の紛争といい、チュー国のセンカク騒動といい、お膳立てがぽんぽんとわきだっていて、きな臭くなってきてるんじゃないでしょーかと思っているのは私だけではないはずです。



 



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2012年8月27日月曜日

読書感想文:邪魔 by奥田英朗

最近の私のお気に入り作家の奥田英朗さん。今度映画化になる(orなった?)ガールとかのように面白くて機知に富んでいて心地よい読後感のあるものもあるけれど、今回読んだ邪魔 無理等の作品は日本という国や政治体質やこの時代に生きる普通の日本人たちの閉塞感や問題点、がよーく書かれていて、フィクションなのにノンフィクションみたいな感じの作品。読んだ後のどんより感で2、3日落ち込むことも。。でも面白いから読んじゃうんですよ。

最近のドラマって私はあまり見ないんですがCSIマイアミ、とかにあるように残虐な事件をこれでもかってくらい題材にしているけど、今回読んだ「邪魔」はもっと普通のひとがセコい動機で勤め先の倉庫に火をつけて運悪くそれがもとで家族の日常生活が狂い始めてしまう、、あらすじ。そうそう、実際の事件って多分こんな感じなんだろうな、なんというか犯罪者と普通の人の境界線って本当はすごい曖昧なんでしょうね、なんて今ある平穏な生活がありがたく思えてきます。

私のよくいく図書館は元々アメリカで日本語コーナーがありがたいことにあるのですが、選択肢が少ない分本を選ぶのも楽。今日は重い内容を選んだ後なのでなるべく軽そーで心が明るくなりそうな物を選びました。この間日本の図書館に行ったらあまりにも本がありすぎて子供の絵本だけ借りてきたことも。作家名をあんまり知らないこともあるんだけど。村上春樹さんの1Q84も読みたいけどいつになったら読めるかなぁ。




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2010年4月22日木曜日

読書感想文:家日和 奥田英朗


いろんな家庭を描いた短編集。どれもとっても面白かった!月並みな感想ですけど。この人の本、こんど日本に帰ったら全部読んでみたいと思いました。サスペンスとかも読んでていいんだけど、私の現実も結構シビアだったりするので、こういうユーモアの効いた本を最近は好んで読んでいます。
私としては最後の妻と玄米御飯がヒットしました。私も玄米食べているけど、マクロビにすっかりはまっている友人のようにはどっぷりつかれない。この作品、ひょっとして作者の実体験から来ているんでしょうか?

2009年11月4日水曜日

読書感想文 : 新井素子 チグリスとユーフラテス


中学生位のときに新井素子にはまりました。前回日本に帰ったときにブックオフで見つけて一気読みした作品。相変わらずの文体がとても懐かしかったです。
惑星ナインに最後の子供として産まれてしまったルナとコールドスリープからルナにより一人ずつ起こされてしまった4人の女たちのお話。深いです。生きているというのはどういう事なのか、生きていくのに意味はあるのか。
最後に起こされたレイディアカリのエピソードはやはり印象的で、生きていく上で必要な強さとか、バイタリティーだとか、今の私にこういう強さが欲しいな、と思ってしまいました。
今度帰ったらブラックキャットシリーズを読み終えたい。。

2009年2月24日火曜日

失恋した人にお勧めな本 : メルヘンクラブ by さとうさくら

図書館で表紙のかわいさとメルヘンクラブという題に惹かれて借りた一品。

人付き合いも友達も、仕事もどうでもいい。いつもどうとでもとれる返事をして、本気で人と付き合う事をしていない主人公。元カレのタケヲだけが人生のハイライトであとはどうでもいいと思ってしまう主人公頼子。
失恋の痛手の中、大学の事務室で働く25歳女子が学生と間違われ、好きな夢をみるというサークルに入り、元恋人のタケヲの夢を見れるようになるけどなんだか空しい。そして。。。

主人公、他の登場人物ともども、きっとリアルにいそうな人々。私は頼子はいつも愛想笑いをして、けっこう礼儀正しい人じゃないですか、なんて思ったりしたんだけど。私は頼子とは違う性格で、どちらかというといつも人とつながっていたいと思う方。だけど最近は大人になったことの副作用というか、家族を持つと、どうしても生活レベルの格差と言うか、うちは残念な事に貧乏な方で、周りはもうちょっと余裕のある家庭ばかりなので、ママ友同士でもなんとなく肩身が狭いように感じてしまって、別に見栄を張る訳じゃないけど、貧乏人に見られるのも嫌なので思った事を言えないとか、引け目を感じてしまう事も多々ある。逆に頼子みたいに別に誰ともつながりたくない、友達もいらない、と思えてしまう事の方が達観していてすごいなーと思ってしまう。

今現在とちょっと前、夢の中に昔の友達とかクラスメートとか話もした事もない人とか昔好きだった人とかでてきて、夢の中の生活がなんかエキサイティングで、現実の生活はどちらかというと単調で、夢を覚えている事すらなんか嫌な時がある。

なんてまたまたまとまらなくなってきましたが、、

読んだ後になんかすっきりした気分になる本。オススメです。主人公のように失恋をしたあなた、読んでみてはどうでしょうか。

2009年2月20日金曜日

なぜアメリカは落ちぶれたのかわかる本 :なんもかもわやですわ、アメリカはん 米谷ふみこ

読書感想文:なんもかもわやですわ、アメリカはん by 米谷ふみこを読んで。

ブッシュが大統領になってから、アメリカはとんでもない所になってしまった。嘘をついて石油のたくさんあるイラクに突然乗り込んで戦争をおっぱじめてしまった。世界中の金が軍需産業に流れ込み、一般市民は今何もかも失いつつある。健康保険、義務教育、家、食べ物もそのうち手が届かなくなっていくのだろうか。
たった65年前に全世界が味わった絶望感をまた味わうのだろうか。
核爆弾がすすんだ今の世の中、始まってしまったらそのあとに誰か生きていられる人はいるんだろうか。

1998年からアメリカに来ている(なんだか未だに「住んでいる」と言いたくない)私。その渦中にいて、確かに2001年後の世界が変わっていくのを肌身で感じて来ていた。まるで誰かの手のひらでかき回されているかのような気分だった。

お気に入りのコメディセントラルチャンネルの人気パロディニュース番組、ザ デイリーショーを毎日見ていても、えっどうしてそんな事がまかり通るんだろうと、驚きっぱなしだった。

だけど、私は私個人の事が忙しくて、何もできなかった。仕事とか、結婚とか、子供とか、そんな事だ。多分それは私の世代のほとんどの人が同じような状況だったかもしれない。

やっと今、オバマ政権になってほっとできている所。ひょっとしてまだ間に合うかもしれない。

この本はブッシュ政権になってからのはじめの4年間に一体アメリカの政治に何がおこったのかをわかりやすくまとめてくれている。同じ時期に近所でこんな活動をされていた方がいたなんて、知らなかった。知っていたら、私もイラク戦争が始まる前にデモに参加するなり、何かできたのかもしれないのに。

私は今これからでも何かできないかな、と思っている。

そしてその一歩はこの本がもっと多くの日本の若い世代に読まれる事を祈って、この本をここに紹介する事です。

2009年1月28日水曜日

ハワイに行きたくなる本:よしもとばなな サウスポイント

図書館で借りた一冊。私の行く図書館には日本語本も充実しており、よしもとばななさんの作品も何冊か借りたのですが、彼女の全作品に通じる空気というか、大好きです。透明感があって、ちょっと不思議な精神世界というのが当たり前にあって、出てくる人々がみな良い人で、一途で。これの前にも、High and dry (はつ恋)とハゴロモを読んだのですが、子供ありの結婚生活で「恋」とか「どきどき」とかに無縁になっていた私の心に潤いを与えてくれました。
サウスポイント。これを読んだらハワイに行きたくなりました。まだハワイに行った事のない私。今私のいるロサンゼルスは乾いていて、自然が少なくて、すごい無理して人々が住んでいるような所なので、その正反対のようなイメージのハワイにとても惹かれてしまう。
あと、東京のシーンでは、上野あたりの地名がたくさん出て来て、むかし私もあの辺にいたので、懐かしかった。
この話に出てくるような、一途で心と心でつながりあうような恋に昔からとても憧れているのに、私はいつもその正反対な恋をしていたなー、なんて思った。わたしはいつも何かに焦っているから結果を早く求めすぎて、そんな生き方になっているのかもしれないな。もっかい人生やりなおすんなら、その辺を気をつけて青春時代をすごしたい。覚えていれば。
前読んだ作品名がうろおぼえだったので、これをきかいにばななさんを検索してみたら、公式ホームページをみつけました。日記とQ&Aなど筆まめで驚きました。やはり毎日の積み重ねが、いい作品を作っていくんだろうなぁ。

2007年12月19日水曜日

何のために産まれて来たか考える本:聖なる予言と第十の予言 読書感想文

久しぶりに本を読んだ。友達がずっと前に「スピリチュアルとアドベンチャー混じってて面白いよ。」と貸してくれて、今まで機会がなくて読んでなかったのだけど、風邪をひいてしまって寝込んでしまったので一気に読み終わってしまった。
聖なる予言 by ジェームズ・レッドフィールド
聖書と同じ時期に聖書と同じ言葉で綴られた予言を見つけにペルーまで旅立った主人公。それは8章まで見つかっているが、9章が今まさに見つかりそうだという噂。ところがこの予言に関わった物はなぜかペルー政府によって執拗な嫌がらせを受ける。。
一章ごとに主人公と一緒に予言を解明してゆく。それは私の人生にも参考になったし、ちょうど今の私にもたくさんのインスピレーションを与えてくれた。
すべての出来事は偶然ではなく、人との関係はエネルギーの受け渡しである事、そして誰もがこの世になにかの使命を持って産まれてきた事。。
今の状況に行き詰まっている方、なにか暗い気持ちが渦巻いている方、読んでみてはどうだろう。