いじめ、虐待、等がテーマの作品。道徳の教科書的なことにも使われているとか。多くのレビューで、うまくゆきすぎ、とか現実はもっとシビア、とかいう意見にもうなずけますが、「この現実は変えられる」という希望を持たすためにはこんな風にトントン拍子でもなんら問題はないと私は思います。
いじめに苦しんでいる少年少女、あるいは大人、そしてすべての親御さんと先生たちに一読を勧めたい一冊。
母親からの精神的プチ虐待から声が出なくなってしまった11歳の主人公のあすかは祖父母の元に疎開し徐々に声と明るさや生きる力を取り戻してゆく。その後も転校先のいじめ問題に立ち向かったりとたくましい娘さんに見事に成長してゆきます。
娘を愛せない母親、静代がある人物に指摘される「自分の内側を見つめる事のできない弱さ」というフレーズが心に残ります。ヤフーの記事で「ママカースト」なんて言葉も流行るくらい、母親同士の世界も子供となんら変わらないのでしょうか、というよりマスコミはほんの一握りの嫌なトレンドをむやみに広げようとしているんじゃないかという気さえしてしまいます。踊らされないようにしたいもんです。
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