奇しくもその日の前日に図書館で、屋根裏の仏さまという本を見つけました。
ジュリー オオツカ著
1900年代初め、アメリカに住む日本人男性の嫁になるため写真と手紙だけを頼りに3週間太平洋を渡って異国の地に渡った若い乙女たちのその後。
船酔いに耐えてついたサンフランシスコで待っていたのは、手紙で書かれていたような素敵な家に住み、ハンサムな男性とは全く違う、あるいは自身の20年前の写真やハンサムな友達の写真だったり、代筆者が書いた嘘を並べた手紙だったり、
初めて会う夫は農作物の収穫を担う季節労働者たちで、家はほったて小屋だった。
日本に帰ることもできずに彼女たちは懸命に働き、
差別にもあい、
あるものは裕福なアメリカ人の家政婦として住み込みで働き、
あるものは夫とともに農業に明け暮れた。
やがて彼らは自分の子供を育て、
子供は英語を話すようになり、
器用な日本人はクリーニング店を営んだり
農業を成功させたりして
地域の片隅でひっそりと暮らしていった。
暮らしもやっと安定して地域からの信用も得た頃に
あの事件が起こって、
だんだんと街に居ずらくなり
一人がスパイ容疑で逮捕、
また一人が逮捕され
ある時全ての日本人が収容所に送られた。
財産はすべて捨てることを余儀なくされ、キャンプへの電車やバスに乗り込む。
そんな様子を淡々と、
たくさんの事例を出しつつ鮮やかに綴った本だった。
結構ユダヤ人迫害の歴史ともにた感じですよね。
本を読むのは早いので子供が寝た後に一気に読み上げました。
アメリカ暮らしも長いけど、あんまりじっくり直視したことのない歴史だったので
ロサンゼルスダウンタウンにあるリトルトーキョーを
じっくり散歩したくなりました。
街に歴史あり。

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